2023-01-01から1年間の記事一覧

人の居場所がなくてはならない② コミュニティには希望がある

コミュニティはこのまま廃れていって僕達は孤独になっていくしかないのでしょうか。 それでも希望はある、と僕は考えています。 なぜかといえば人間は本能的に誰かと関わりながら生きていきたい生き物だからです。 例えばコロナ禍になってから日本も大きくデ…

人の居場所がなくてはならない① 社会関係資本を築くべき

パットナムの唱えた「社会関係資本」は人間の絆や信頼を指す概念であり、社会の分断が進んでいる現代にこそ必要とされるべき考え方です。 社会の分断の背景としては格差の拡大、競争の激化などがあり、他者は協調すべき相手ではなく負けないように警戒するべ…

真の地域活性化とは何か

現在ウクライナ危機をはじめとした情勢の変化により、食料品などの価格が高騰して生活を打撃しています。グローバル化によって国や地域が経済的に結びついたことはメリットだけでなく、外部に依存することでリスクが高まるという落とし穴もあります。国内で…

目的ありきのキャリア論⑥ 心理学から目的論を考える

ここまで目的から自分のキャリアを考えるということを書いてきましたが、これに関連して有名な2人の心理学者の主張を紹介したいと思います。 1人は、現在ビジネス書などで話題のアドラーです。 彼は心理学を原因論ではなく目的論で説明したことで知られてい…

目的ありきのキャリア論⑤ 地域活性化という目的

すでに書きましたが、僕は「地域活性化」ということを目的に会社を選びました。 ではなぜその目的にいきついたのかについて書きたいと思います。 僕は最初に入った会社を2年で辞めて転職しましたが、「地域活性化」という目的を設定したのはその転職のタイミ…

目的ありきのキャリア論④ 目的の設定の方法

オリジナルの仕事の目的を持つべきだと書きましたが、ではその目的をどのように設定したらいいか、についてです。 目的は、その人がそれまでに考えたり経験してきたことの総括です。 社会や人間に対してこういう思いを抱いてきたからこそ、それをかたちにす…

目的ありきのキャリア論③ オリジナルの目的であるべき

前の記事で、仕事の目的を決めるなら他者貢献につながるものであるべきだと述べました。 それに加えて、目的はオリジナルなものであったほうがいいと考えています。 自分だけの経験、考えから至った目的であれば強い動機づけになるはずだからです。 仕事の目…

目的ありきのキャリア論② 目的は他者のためのものであるべき

仕事を充実させるためには、自分の目的を決めてから仕事選びをするべきだということを、前回の記事で書きました。 ではその目的はどういうものであるべきかということについてです。 まずそれは自分のためだけでなく、他人や社会のためにもなるものであるべ…

目的ありきのキャリア論① なぜ仕事に目的を持つべきか

ここではキャリア論を書いていきたいのですが、今後どういう業界に行くと給料が上がるとか、キャリアアップにつながるといったような難しい話は書きません。 そういうことについてはそもそも詳しくありませんし、適確なことを書けません。 なので、あえて世…

【名著紹介】孫子 浅野裕一 講談社学術文庫②

4 理想の将軍 このように実際の戦闘とは複雑であり、全てがこちらの作戦通りにいくとは限りません。 将軍はそれを認識しているべきであり、兵の戦意が下がることや状況が優勢から劣勢に変わることへの可能性を常に頭に置いておかなければなりません。 「とか…

【名著紹介】孫子 浅野裕一 講談社学術文庫①

古代中国の軍略家である孫子の思想は「孫子の兵法」として知られており、この本ではその原文と解説が載せられています。 孫子は日本をはじめ古今東西の武将や戦略家に影響を与えました。 現代でも孫子の思想から発想を得るビジネスパーソンは多いようです。 …

【名著紹介】愛するということ エーリッヒ・フロム 鈴木晶訳 紀伊國屋書店②

5 現代の愛の問題 フロムは愛の問題について、愛が先か性的快楽が先かという問題提起をしています。 性的満足を満たすことで愛が生まれるというのが現代の常識であり、それは心理学者のフロイトの理論を基本としています。フロイトは、人間のあらゆる感情が…

【名著紹介】愛するということ エーリッヒ・フロム 鈴木晶訳 紀伊國屋書店①

エーリッヒ・フロムは20世紀の社会心理学者であり、ファシズムに服従していった人々の心理の研究から、大衆が画一化して責任から逃れることに警鐘を鳴らしました。 「愛するということ」はフロムがそのような視点から人間の愛について語った名作であり、恋愛…

日本の土地問題

土地というのは当然人々が暮らすうえで欠かせないものであるとともに、豊かな歴史や文化、自然の詰まった財産というべきものです。しかし日本では、現代になって土地というものに対する畏敬の念がなくなってきているように思えてなりません。 岩波新書から出…

「ルパン三世」はなぜ愛され続けるのか

「ルパン三世」は放送開始50年を迎えても未だに根強い人気があり、新しい作品が作られ続けています。 現在は次元大介を主人公にした実写映画まで作られています。 まさに国民的作品というべきです。 昨年には、アニメのpart6が放送されました。このシリーズ…

新しい資本主義は実現可能か

「新しい資本主義」は岸田内閣が掲げたスローガンですが、その実現にはさまざまな課題が残されており、抜本的に経済の仕組みを見直すことが求められます。日本ではバブルの崩壊から経済が停滞し続け、「失われた20年」とよばれる時代が続いています。日本に…

森岡毅に学ぶマーケティング論

ユニバーサルスタジオジャパンといえば誰もが知るテーマパークで、関西以外からも多くの人が訪れています。今や大人気のUSJですが実は経営破綻にまで追い込まれたことがあり、それを乗り越えてからも売上が伸び悩んでいる時期が続いていました。 そのような…

現代のアートの可能性

2年前に、民藝運動の創始者である柳宗悦没後60年を記念して、「民藝の100年」展が開かれました。「民藝」とは何気なく使う日用品にこそ美を見いだす概念であり、展覧会では柳が日本各地から発掘した暮らしの道具が並べられて話題を呼びました。 柳宗悦はそれ…

「進撃の巨人」から侵略について考える

現在ロシアによるウクライナへの侵略やパレスチナの問題が、国際社会で波紋を呼んでいます。いつの時代でも侵略を行う側は、何らかの正義を掲げてその行為を正当化しようとします。 例えばロシアのウクライナへの侵略については、東方へと拡大を続けるNATOか…

デジタル化がもたらす未来

AIによって人間の能力が代替され、人間が職を奪われるという懸念は近年よく語られるところです。AI時代にも生き残る職業の一覧も発表されていますが、未来のことは誰にも予測できません。とはいえ人間にあってAIにはない能力があるということは確かであり、A…

司馬遼太郎に受けた影響

僕は中学生の時から司馬遼太郎の愛読者で、それから「竜馬がゆく」、「坂の上の雲」、「国盗り物語」、「峠」などいろんな小説にドハマりしていきました。 司馬遼太郎は僕の原点であり、最も影響を受けた人といっても過言ではありません。 この人の本を読ん…

アカデミックであるために

アカデミックとは学究的という意味で、学問で合理的に真理を見つけ出そうという態度です。 このブログも当然アカデミックなものを目指しています。 とはいいつつ本当にアカデミックになりたければ、ブログなどネット上のものよりも本を読むべきです。 そう書…

「世界は1つ」は実現できるのか

「世界は1つ」といわれれば、全人類が目指すべきスローガンのように聞こえます。 もちろん民族や国家での分断によって差別や戦争が起きることを考えたら、世界が1つであるべきだというのは正論に聞こえます。 しかしここで、「世界は1つ」という考えが逆に分…

客観的になるために

能を大成したことで知られる世阿弥の言葉に、「離見の見」というものがあります。これは演じる際には自分から離れた外部からの視点で舞台上の自分を見なければならないと戒めた言葉で、客観的に自分を意識することの大事さを教えています。 自分の性格を考え…

人生100年時代の個人主義

「人生100年時代」という言葉が使われるようになり、個人の生き方、働き方にも変化が見られるようになりました。かつてのような終身雇用、年功序列が約束された時代ではなくなり、1つの会社にしがみついていられなくなって個人のスキルが求められるようにな…

公園の存在意義

公園で遊ぶ子供の声がうるさいという苦情から、その公園が廃止になるというニュースがありました。昔に比べて公園はどんどん減ってきているようですが、公園は地域の人々の憩いの場となる貴重な共有財です。 私は趣味でよく散歩をしますが、緑のあふれる公園…

競争の功罪

何年か前に、就活サイトで掲載された「底辺の職業ランキング」が批判を浴びることがありました。当然許されない差別意識だといえますが、就活をする時にできるだけ世間に誇れる会社に入ろうと考える学生は多く、職業を序列化する意識が日本社会に根付いてい…

攻撃的な人とどう関わるか

職場で最も悩みの種となるのが人間関係です。 特にどこへいっても他人に対して攻撃的な人というのはいて、こちらが深く関わるつもりがなくても目をつけられて攻撃の対象とされることもあります。 こちらが攻撃したわけでもなく普通にしていただけなのに、気…

抽象化のために勉強する

「どうして勉強なんてめんどくさいことをしないといけないのか」というのは、子供の時に誰もが抱く疑問ではないでしょうか。しかし親や先生は「受験のため」としか答えてくれず、子供にとってはどこか腑に落ちません。勉強しないと落ちこぼれてしまうという…

ペンと紙があれば人生の質を変えられる

心理学の本で読みましたが、毎日その日あったポジティブなことを3つ日記に書くということを続けると、ネガティブな考えが減る効果があるそうです。 自分の気持ちを実際にノートや紙に書いてみると、客観的に自分を見れることで心が落ち着き、さらに課題点も…