「ルパン三世」はなぜ愛され続けるのか

 

ルパン三世」は放送開始50年を迎えても未だに根強い人気があり、新しい作品が作られ続けています。

現在は次元大介を主人公にした実写映画まで作られています。

まさに国民的作品というべきです。

 

昨年には、アニメのpart6が放送されました。
このシリーズは多くの人気脚本家が脚本を手掛けていたこともあり、一風変わったストーリー展開が見られたように思います。


これまでのルパンのシリーズと比べると戦闘シーンが少なく、どちらかといえば会話や心理描写、予想不可能な展開で楽しましてくれるような内容でした。
賛否両論はあったようですが、ルパンは長寿作品であることから、あえてこれまでとは違った要素を入れるのはマンネリ化させないためにも必要なのかもしれません。

 

このシリーズに限らず、ルパンはこれまでの映画やアニメシリーズで多様な描かれ方をされています。
ハードボイルドで非情な性格の時もあれば、宮崎駿が描くような心優しいルパンの時もあります。
基本設定も作品によって矛盾することがあり、全体を見渡すと一貫性がありません。
人物や物語だけでなく、絵のタッチも作品ごとに大きく異なります。

 

この良い意味でのいい加減さこそが、ルパンが愛され続ける理由の1つではないでしょうか。
ファンとしては1人のルパン3世が存在するというよりも、いろんなルパンがいてどれが本物かはそれぞれが好きに考えていいという感覚で楽しむことができます。
制作側にもルパン像を固定してしまうことなく、その時々で好きに作ってしまう自由さがあります。


なのでPart6でもルパン三世という題材だけ与えて、あとはそれぞれの脚本家が自分が描きたいものに仕上げるという作り方になっていました。

ルパン三世とはこういうものだ」という固定概念に縛られることなく、その解釈を変化させて多様にしたところに長く愛される理由があります。


これはどんなものにでも応用できる考え方なのではないでしょうか。
長くあり続けようとすればこそ、変わることを恐れてはならないのです。

 

とはいっても、当然ですがルパンが長く人気である理由はそれだけではありません
ただそれを全てここに書くと膨大な量になってしまうので、この1点のみ述べました。
ルパン三世」は50年経ってもそのクオリティや人気が落ちることはなく、これからもいろんなルパンを見せてくれることでしょう。