現在SOMPO美術館にて「北欧の神秘 ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」の展示が行われています。
一部撮影可だったため、写真もあげながら振り返ります。
北欧はヨーロッパと地続きにありながらも、独自の自然が存在し、独自の神話、民話が育まれていきました。
19世紀に各地でナショナリズムが高まると、北欧でもヨーロッパとは異なる独自の芸術を築こうという動きが生まれていきます。
北欧独特の自然を描いたものの一例が、ムンクの「フィヨルドの冬」です。
抽象的ながらも、北欧の自然が持つたくましさ、厳しさが伝わってきます。
また近代化で土着の文化が失われていく中で、その反動で北欧に伝わる民話や神話を題材にした作品が生まれていきます。
特にテオドール・キッテルセンはトロルや妖精といった、伝説上の存在を題材にしていきました。
トロルとは北欧の自然に潜むとされてきた目に見えない存在であり、多くの伝承や民話に登場するそうです。
北欧というとヨーロッパとは違う地域というイメージがなんとなくありますが、それも北欧独自の芸術を築こうとした画家たちの努力によるものかもしれません。