目的ありきのキャリア論⑤ 地域活性化という目的

すでに書きましたが、僕は「地域活性化」ということを目的に会社を選びました。

ではなぜその目的にいきついたのかについて書きたいと思います。   

 

僕は最初に入った会社を2年で辞めて転職しましたが、「地域活性化」という目的を設定したのはその転職のタイミングでした。

それまでの経験、学びから地域には産業と空間が必要だと考えており、それを指針として会社を探しました。

 

産業が必要というのは、その地域に地場産業がしっかりと根づいているということです。

都会の大企業を誘致することもできますが、地域内で利益を生み出して循環させるべきであり、そのためには地場産業が不可欠です。

 

空間が必要というのは、地域に人と人が交流できて居場所と思える空間があることです。

デジタル化が進んで仮想空間も作られている現代にあって、直接人どうしが顔を合わせるコミュニティがないことには、人のつながりはなくなってしまいます。

人の孤独を防ぐのは、重要な地域社会の役割の1つです。

 

そういった考えから、地場に根づいて製品を作り、街の空間や景観作りに関わっている会社を選びました。

その考えに至ったのには、以下のようないくつかのきっかけがありました。

 

・旅行

学生時代から日本中に旅行に行き、それぞれの街に歴史、文化、産業があることに価値を感じるようになりました。

そしてそれを残して伝えていくことが重要だという考えを持ちました。

 

・読書

読書により、地域活性化には地場産業の発展が不可欠であり、国の地方創生の政策や大企業の誘致にだけ頼るのではなく、地域の内部からの発展を目指すべきだという考えを持つようになりました。

また人のつながりが薄くなっており、地域社会がそれを防ぐ役割を持っているというのも、読書により得た考え方でした。

 

・アートへの興味

アートに興味をもって展覧会に行ったり、美術の知識を身に着けていると、本来芸術とは美術品ではなく、何気ない暮らしの日用品や風景の中にこそあるという考えを知り、それに共感しました。

それが街の景観作りに関わりたいと考えるきっかけになりました。

 

・人と関わった経験

一社目でそれまでゆかりのなかった地域に住むことになり、最初は知り合いもいない状況でした。

そんな中でコミュニティがあったことで人と知り合うことができ、休日も楽しく過ごすことができました。

またそれまで根暗で人に壁を作る性格だったのが、そこで人と関わる中で心を開けるようになっていきました。

自分の価値観、人生はどのような人と関わるかで決まるのであり、地域はそういう場を提供する役割を果たすということを、自分の経験から実感しました。

 

そういったことから「地域活性化」に興味を持ち、今の会社を選んだわけですが、ちゃんと自分のこれまでの学び、経験に根づいた目的だからこそ、働くうえで強いモチベーションになっています。

 

僕は仕事の目的を決める際には、上で書いたようなことをもっと詳しくノートに書いて、そこから目的を導き出しました。

やり方は人それぞれですが、自分が過去に影響を受けたもの、ことを思い返してみることは人生、進路を決定するうえで重大な役割を果たすと思います。