2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧
3 自然が芸術を模倣する 風景のイメージというのは人々に共有され、「諸芸術や言語のかたちで客観化し外在化する段階にいたって初めて安定する」のである。 風景体験は広く伝播し、時代の中で変化しながらも受け継がれていく。 「ときに実景が消滅しても、こ…
1 風景と景観 街の景観や風景というのは、その街の人々の歴史の軌跡であるといえる。 だからこそ深い価値がある。 そもそも景観と風景とは同じ意味の言葉なのであろうか。 金田章裕さんの「景観からよむ日本の歴史」によれば、風景は「個人的な印象などを通…
本書では東京という都市の成立が歴史学的に解説されている。 東京は江戸以降水都としての発展を遂げてきた。 その名残は今も随所に残っており、現代まで引き継がれている。 1 「山の手」の表層と深層 近代の都市計画がそれぞれの土地が持つ固有の条件を無視…
人間の心の奥底には無意識の領域があり、そこは各自が思っているよりも複雑で奥深い世界になっている。 ユング派の心理療法家である河合隼雄が、その無意識についてまとめたのが「無意識の構造」である。 1 無意識へのアプローチ 耳が聞こえなくなったという…
主人公の古倉は彼氏なしの36歳で、コンビニバイトを18年している。 いわば社会の普通からはみ出た存在である。 この小説では、普通という概念が多く登場する。 そこがこの小説のリアリティであり、実際に世間には結婚や年収という点から人間を普通と異質に分…
歌人の三田三郎さんが書かれた「よいこのための二日酔い入門」という本がある。 前回の記事で酒を飲みに行くことの楽しさを書いたが、この本では酒を飲みに行った末に泥酔することの楽しさに触れている。 僕は泥酔する前に飲むのをやめてしまうから、そんな…
よく仕事終わりや休日に行きつけのバーに飲みに行くようにしている。 といっても僕はお酒は全然強くないし、お酒自体はそれほど好きなわけでもない。 ただ酒の席が好きなのである。 バーをはじめとした酒場においては、立場や肩書きというものが無効化される…